1ヶ月間の真学校・第11日目の講座は「経済革命」。お財布ひとつで暮らす木の花の経済を事例として、21世紀の経済のあり方を探求します。
講座冒頭、「話すことが湧き上がってきて噴火しそう」と、いさどん。さて、どんな話が出てくるのでしょう?
いさどん:
今日は、木の花の不思議の一つ、経済についてお話しします。
(スクリーンに映し出されたプレゼンテーション表紙のスライドを見ながら)きれいな写真ですね。これは、いさどんが担当している木の花の蓮池の写真です。
今、世界の国々は、経済について一番興味を持っています。経済と言えば、世界にはタックスヘイブン(租税回避地)という不思議なところがあり、アングラマネーが世界中に横行しています。アングラマネーとは、通常の経済の表面には現れない、裏に回ってしまったお金です。今、世界のお金の動きはマネーゲームのようになっています。現在、世界で取り引きされるお金のうち、実際に物やサービスを提供することによって発生する実体経済の占める割合はわずか1%とも言われています。その他はすべて、株式や外国為替取引のような実体を伴わないコンピューター上でのやり取りです。
そして現代の人々は、お金に追われ、お金を求めることによって豊かさを探求しています。お金が豊かさを与えてくれると思っているのです。
そもそも、お金とは何だと思いますか?
シャオラー:
物と物を交換するための道具です。
いさどん:
そうですね。物と物を交換する時に便利だから、お金を使います。言い換えると、物の流通を円滑にするためということです。では、本来お金は世の中にどんなものをもたらすものでしょうか?
シャオラー:
公平に交換できるようにする。
いさどん:
公平に交換するということは、どういうことですか?
なかのん:
隅々まで行きわたらせる。
いさどん:
隅々まで行きわたらせ、循環させる。そういった状態のことを、何と言いますか? ──── そう、健康です。お金は本来、世の中を健康にするものなのです。
さて、お金は隅々まで公平に行きわたることで、世の中に健康をもたらすものですが、それと同じ働きをするものが、私たちの体の中にもあります。さぁ、何でしょうか?
レイチェル:
血液!
いさどん:
ピンポンピンポーン♪血液には、心臓というポンプがあります。これは人間の社会で言うと、中央銀行のようなものです。それが社会へお金を送り出すのです。送り出されたお金は、社会全体の必要なところに必要な分ずつ、くまなく行きわたり、全体が循環している。それがお金の働きで、社会を健康にします。それと同じ機能が、私たちの体の中の、血液の働きです。心臓のポンプから送り出された血液が、必用なところへ必要な分量ずつ平等に行きわたり、体の各機能が健全に働いて全体が循環すれば、私たちは健康でいられます。
その血液の流れがどこかで滞ると、どうなりますか?
こうたろう:
病気になる。
いさどん:
そうです。血液が滞れば、私たちの体は病気になります。そしてお金が滞れば、社会が病気になります。
さて、ではもう少し視野を広げてみましょう。人間の体を循環して健康にさせるのは血液ですね。そして社会を循環して健康にするのはお金です。では、地球の血液の働きをするものは、何でしょうか?
クワン:
水!
いさどん:
そうです。水です。水よりちょっとゆるい循環になりますが、大気もそうです。皆に平等に行きわたります。さてそれでは、さらに視野を広げましょう!太陽系の血液は、何だと思いますか?
レイチェル:
光。
いさどん:
なるほど、光でもいいですね。では答えの中に光も入れましょう。もう一つあります。それは太陽磁場です。太陽の磁場が届いているところが太陽圏なのです。銀河系の血液も磁場です。
さぁ、それでは、宇宙全体の血液は何でしょうか?
ゲェウ:
時間ですか?
いさどん:
実は宇宙には時間のないところがあるのですよ。銀河が変わると時間も変わる可能性があります。宇宙はとても大きなものですが、その宇宙の血液は、なんと私たちも持っているものなんですよ。
クワン:
エネルギー?
いさどん:
エネルギーは無いところとあるところがあり、全体に平等にとはいかないですね。
ようたろう:
意識?
いさどん:
そうとも言えますが ──── 正解は、スピリットです。宇宙はひとつのスピリットのもとに、すべてが循環しています。宇宙のスピリットとは、簡単に言えば、神様の心です。
いさどん:
私たちの体、社会、地球、太陽系、銀河、そして宇宙。それぞれに、全体を循環する血液の役割を果たすものがあります。さてそれでは、こういったものが存在する目的は何でしょうか?
ゲェウ:
生きるため。
いさどん:
なるほど。そうでもありますが、もっと簡単なことですよ。
こうたろう:
健康になるため?
いさどん:
健康のもとです。それは、その世界をひとつにつなぐ、ということです。全体を循環することで、全体をひとつにするのです。これが大事です。ここを通らなければ、木の花の経済は語れないのです。
経済とは、お金の流れです。では、木の花の中でお金の流れはどうなっているでしょう。
木の花の中のお金は、ひとつです。皆さんの会社や家庭の中で、お金はひとつではないでしょう?でも木の花では、お金はひとつなのです。みんなでひとつの財布です。つまり木の花の経済は、私たちの体や地球、太陽系、銀河、宇宙の仕組みと同じなのです。それはこの世界の仕組みそのものですから、当たり前のことですね。ところが、この当たり前のことが今の人間社会にはできないのです。
僕はいろいろなエコビレッジなどに招待されて行くことがありますが、皆さんのところではお財布はひとつですか、と聞くと、そうではありませんね。たった「財布ひとつ」ができない。なぜだかわかりますか。それはスピリット、つまり、心がひとつではないからです。
木の花の経済は「財布ひとつ」ですが、それを循環させる心臓の役割を今日は連れてきました。
いさどん:
経理のなかのんです。木の花の心臓です。よろしくお願いします。
(みんな拍手!)
みかこ:
金は天下の回り物、と言いますね。
いさどん:
おもしろいですね。「天下」とは天の下、つまり地上のことですね。
木の花の経済は「目から鱗」と言いますが、実は当たり前のことです。天の恵みを世の中に広げる、天然循環経済。その基本が、財布ひとつということです。
財布ひとつと言うと、みんなびっくりします。でも、地球の水はひとつですよね。液体だったり個体だったり気体だったりしますが、それは循環しているだけで、ひとつです。空気もひとつですね。今私たちは、ひとつの空気を共有しているじゃないですか。これはみんなの中を循環し、みんなを健康にするものです。そしてこの世界をひとつにします。お金もそうでなければなりません。それは、私たちの体を流れる血液と同じなのです。
もしも皆さんの会社や所属する組織がお財布ひとつだったら、とても便利がいいですよ。自分の貯金なんて確保しなくていいのです。お金が必要になった時に、お財布の中身が足りない、どうしようなんて考えなくても、全体のお財布から持ってくればいいのです。その代わり、自分が日々働くことは全体のためであり、お金も全体に入ります。自分は全体のために働き、自分が何かを必要になった時は全体から供給されます。ということは、自分のためだけに、なんて考えなくてもいいのです。とても楽だと思いませんか?とても楽で理に適った当たり前のことですが、それを聞いてみんな驚くのです。
でも皆さんは、そんな世界を求めているのではありませんか?
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