20日目午前「こうじ仕込み」

やすえどん講師の講座・第3弾!

「こうじ仕込み」

天然醸造部長・やすえどん
天然醸造部長・やすえどん

前2回はいずれも希望者のみが参加するフリープログラムで、こうじを仕込んでから3日後の作業である「塩きり」と、「御神酒作り」を体験してもらいました。本日は、3月9日の「味噌作り」講座で使うこうじを仕込みます。
こうじとは、米や麦などの穀類にこうじ菌を繁殖させて様々な酵素を生成したものであり、言わずもがな、味噌やしょう油の原料となる、私たち日本人の食と健康に欠かせない大切なものなのです。このこうじ仕込みを通して宇宙の神秘を体感し、食についての造詣を深めます。

 
講座は、まずは恒例のドーナッツからスタート♡

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あきちゃん特製のドーナッツ

ファミリーメンバーのあきちゃんは、よく本宅でドーナッツを作っています。というわけで、本宅で行う講座は毎回ドーナッツから始まります。

まずはみんなで「いただきます」。
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木の花ではいつも「いただきます」の掛け声は、場の呼吸を読む力をつけるという意味もあり、一番小さな子どもがすることになっています。そこで受講生も一番若いサリちゃんが掛け声を担当。すっかり板についてきました(^^)

おいしい〜〜!!
おいしい〜〜!!

実は今日は午後に「食養生」の講座があるのに合わせて、食事も丸一日砂糖や熱した油をとらない食養生メニューの日になっていたのですが、このドーナッツが出てきて食べないわけにはいきません。というわけでみんなでおいしくいただき、再びサリちゃんの掛け声で「ごちそうさま」。そして釜戸小屋へ移動します。

釜戸小屋。すでにお湯が沸いています。
釜戸小屋。すでにお湯が沸いています。
釜戸の上に降り注ぐ太陽の光
釜戸の上に降り注ぐ太陽の光

こうじ仕込みは、目に見えない微生物との対話です。刻一刻と変化していくお米や麦の姿を通して目には見えない存在の働きを知り、そこにいつも神さまを感じていると語るやすえどん。まずは場を清めるために、みんなで四拍手。
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以下、今回の材料です。

・玄米・・・・・7.5kg
・小麦・・・・・7.5kg
・種こうじ・・・15g(全体量の0.1%)
・カタカムナのウタヒ

実は決まったレシピがあるわけではありません。自分の好きなように玄米と小麦の割合を変えてもいいし、白米や大麦、豆やキビを使ったり、お米だけ、麦だけで作ることもできます。そして何より自分独自の響きが加わることで、千差万別・世界に二つとないオリジナルのこうじができあがるのです。

まずは前夜から12時間水に浸し、1時間ほど前に水切りした小麦をセイロに入れて、火にかけます。小麦はそのままだと表面にこうじ菌が付きにくいので、少しだけ削ってあります。
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薪として使っている木材は、以前ひよこを飼っていた小屋を解体した時の廃材です。さらにそこに、蜂の巣から取れたミツロウをこした後の残りカスを新聞紙に包んで追加します。こうすると、ミツロウの油分が入って火の持ちがよくなるのです。

ミツロウの残りカス
ミツロウの残りカス
固いのでトーマスが砕いてくれました
固いのでトーマスが砕いてくれました

もともとこのミツロウのカスは捨てられていたのですが、やすえどんはそれを見て「宝物だ!」と思ったそうです。
「これのお陰ですごく火の持ちがよくなった。捨てられていくものが、私には宝物に見えたの。私たちが気付いていないだけで、実はこの世界って使えるものにあふれてるんだよ。」

小麦が蒸しあがるまで、約45分。やすえどんの案内でこうじ室を見に行きます。

こうじ室
こうじ室。“蔵菌(くらきん)”の働きで壁が黒くなってます。

このこうじ室、見ての通り普通のお風呂です。ここにお湯をはり、こうじにとって快適な30℃前後の温度と90%の湿度の環境を保ち、こうじを育てます。

やすえどんは語ります。
「22年前に木の花ファミリーが始まった時は、借家からスタートしました。それで家を探していたら、たまたまある人がこの家を紹介してくれました。実はここはもともと4軒分の家だったのを、間にあった壁を取り払ってみんなで住めるようにしたんですよ。だからお風呂が4つもあります。それで、そのうちの1つをこうじ専用にすることができて、いつでもこうじが作れるようになったんです。自分たちで意図したわけじゃないのに、そういう環境が与えられたんですよ。」

木の花ファミリーの生き方は、自分たちで何かを意図するのではなく、与えられるものをいただき続ける人生でした、とやすえどん。すると面白いことに、いつも必要なものが自然とやってくるのです。収穫した野菜を保存するのに大きい冷蔵庫が必要だねと話していたら、ほどなくして知り合いから「スーパーで使っていた業務用冷蔵庫はいらないか」という連絡が入ったこともあったそうです。

「私たちの歩みは、人とのつながりの中で支えられてきました。実はこの家を買う前は、家の周りに畑があって、田んぼがあって、一つにまとまっているような場所がいいなというイメージがあったんですよ。でも実際に与えられたのはこの家で、周りに畑も田んぼもなかった。だけど、そのお陰でいろんな人から自分の土地を使わないかと声をかけてもらい、あちこちで畑や田んぼを耕すようになって、結果的にいろんな人とつながりができたんです。
神さまはいつも、私たちが考えるよりずっと素晴らしいものをあたえてくれます。だから、自分の頭で考えなくていいんですよ。あれこれと自分のことを心配するよりも、ただ心を磨いて世の中のために生きていれば、必要なものは向こうからやって来るんです。」

そんな話を聞いているうちに小麦が蒸しあがり、芯が残っていないかを確認して、ゴザの上に広げます。
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蒸しあがった小麦
蒸しあがった小麦

こうじ菌が繁殖する適温は30℃前後。最終的にもろ箱に入れてこうじ室に置く時に、ちょうどその温度になるようにようすを見ながら小麦を冷ましていきます。
「マニュアルがあるわけじゃなくて、その日の天候やその他の状況によってどこまで冷ましたらいいのかも変わっていきますから、ぜんぶ直観が頼りです」とやすえどん。
「仕込みの後の“手入れ”も自分の都合で段取りするのではなく、常にこうじのようすを感じ取りながら行います。早く作りたいからといって温度をかけすぎても、雑菌が繁殖したりしてうまくいきません。適温は30℃前後。そしてそれを人間が食べて体の中に入ると、今度はだいたい36℃になって、菌が活発に活動するようになります。よくできてますね。いったい誰が考えたんでしょう。」

小麦を冷ます間、今度は玄米を蒸します。こちらも前日から15時間水に浸し、30分前に水切りをしました。
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白米のように見えますが玄米です。玄米のままだとこうじ菌が付かないので、ある程度表面を削ってあります。玄米を使うのは「その方が栄養があるから」。お米は天から与えられた万能食品。これについては、「愛とお米があればいい」の講座で深めることになるでしょう。

お米を蒸す時間は約30分。
りょうこちゃんとたえちゃんは、陽だまりで何やら心の話をしています。IMG_8759

今の生き方を変えたい!と真学校に参加した二人。ただひたすらに心を探求する毎日を楽しみ、「あと1週間で真学校が終わっちゃうのが残念」と言います。

お米を蒸している間に、1週間前にみんなで仕込んだ御神酒がどうなっているかを見ることになりました。

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1週間前に御神酒を仕込んだ時のようす

フタをあけて中を覗き込むみんな。どうなってるかな〜。
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順調に発酵してます。
順調に発酵してます

1週間前にこの御神酒を仕込む時には、みんなでカタカムナ63首を奏上しました。では今日も歌おう!ということで、一人ひとり順番に御神酒をかき混ぜながらカタカムナ63首を奏上。
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世界を元気にするこの歌は、不思議といつまでも歌い続けていたくなります。日頃からゴスペルを歌っているエリちゃんが自然とはもって、受講生たちの美しい歌声が空に響き渡り、御神酒の中にも、みんなの響きが浸透していきます。

ここで試飲タイム!
みんなでちょっとずつ味見です。

こんな人たちも・・・
こんな人たちも・・・

トーマスはまず祈りを捧げてから試飲。さて、お味のほどは・・・?
トーマスはまず祈りを捧げてから試飲。さて、お味のほどは・・・?

「おいしい〜〜!」とこの笑顔!!
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「おいしい」のポーズを取るエリちゃんとサリちゃん。
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これからおいしいものを食べるたびにこのポーズをしなきゃいけないわ!と笑う二人。

さて、まだお米が蒸しあがるまで時間があるので「外で遊んでて〜」とやすえどん。そこで暖かい日差しの中、みんなで中庭をブラブラ。

突如童心に返り、一輪車を始めるトーマス。
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が、なかなかうまくいきません。どうもタイヤもつぶれているような・・・
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おお・・・!
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そんなトーマスに触発されてさえちゃんも一輪車に乗り始めました。こちらは上手です。
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そのうちに、明日の誕生日会の出し物のダンスを踊り始める受講生たち。
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みんなノリノリ。
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やすえどんまで!!
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ここでエリちゃんがみんなから「側転をやって〜!」とリクエストを受けて、長〜い足で側転を披露。みんな拍手喝采!
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続いてトーマス!!
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実は前夜の大人ミーティングで、エリちゃんは「今日はとても嬉しいことがありました」というシェアをしていました。
エリちゃんは時々子どものように、気分転換に側転をやるのだそうです。この日も散歩中に思い立って道端で側転をしていたら、向こうからトーマスがやって来ました。そこで「あ、見られちゃった!」と思い、せっかく楽しんでいたのに邪魔が入った、もうやめなくちゃ、と思ったら、なんとトーマスも一緒に側転をやり始めたのだそうです。

実は真学校が始まって以来、エリちゃんはトーマスを通して複雑な感情を体験していました。周りを気遣うことなく自分の意見を一方的に語るトーマスに「白人的な傲慢さを感じる」と苛立ちを感じていたエリちゃんは、よく考えてみるとそれはトーマス個人に対してというよりも、アメリカという国で黒人として生きる中で負ってきた過去の傷が、白人への怒りとなって噴出しているのだと気付いたと言います。「自分でも気付かないままこんなにも溜め込んでいたことに驚いた」とエリちゃん。

一方、新学校卒業後はバリでコミュニティを立ち上げることを計画しているトーマスは、高い理想を持ちながらもなかなかうまく人とコミュニケーションを取ることができず、真学校を通して等身大の自分と向き合うこととなり「自分はまるでオズの魔法使いのブリキのようだと思った」と言います。「ここは、“心”とは何かを学ぶ場所。僕にとってのオズの国です。」

なんと偶然にも同じ大学のトランスパーソナル心理学学科という同じ学科に通っていたというこの二人。異なる人種としてそれぞれの立場を体験しながら、今、立場を超えて宇宙からの視点で人類全体の歩みを振り返り、分離と争いの時代から調和と統合の時代へと向かう学びをする1ヶ月間の真学校という場で出会い、共に学び続けています。

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真昼の道路でトーマスと一緒に側転をして「まるでちっちゃい頃からの友だちに出会ったみたいだった。ありがとう」とエリちゃん。

そんな二人に続いて、他の受講生たちも次々と側転!
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もと体操部のやすこちゃん。さすがに上手!!
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そうこうしているうちにお米が蒸しあがりました。小麦同様、芯が残っていないかをチェック。
小麦に芯が残っていないかをチェック

きちんと火が通っているのを確認し、ゴザに広げて冷ましていた小麦の上にあけます。
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そしていよいよまぜまぜ開始!!みんなの手で、お米と小麦を混ぜあわせます。
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ひたすらまぜまぜ。
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年齢も国籍も肌の色もそれぞれのたくさんの手が入り混じって、材料がひとつに混ぜ合わされていきます。

すみずみまで混ざったところで、一人ひとりに種こうじが渡されました。
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「今みんなが混ぜた小麦とお米は、大地です。そこにこうじという種を蒔きます」とやすえどん。
みんなのエネルギーがたっぷりと入った大地に、種が蒔かれていきます。
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そして再び、ひたすらまぜまぜ。
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こうじの量は全体の0.1%。もっとたくさんこうじを入れる人もいるけれど、こんなに少なくていいんですか、という質問に、「こうじにとって快適な環境を整えてあげさえすれば、こうじは自分たちでどんどん増えます。人は、これでは少ないんじゃないか、もっと多くした方がいいんじゃないかと思ったりするけれど、実はそういう不安の心から、たくさん無駄なことをしているんですよね」とやすえどん。ではこうじにとって快適な環境はどうやって作るのかというと、やっぱり「直観が大事」。一瞬一瞬が微生物たちとの対話であり、天との対話なのです。

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こうして混ぜ合わされたものを、適度な温度と湿度に保たれたこうじ室に入れておくと、翌日の夜には白く美しい「こうじの花」が咲きます。こうじ菌のみならず、受講生一人ひとりの微生物が入った多様性の大地で、こうじはどんな花を咲かせることでしょう。

混ぜ合わされたものを12等分してもろ箱に盛り分けます。
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盛り分けられたこうじの形を見て「皆神山みたい!」という声が上がります。3月8日に受講生の希望者と木の花メンバーで行く長野県の皆神山は、確かにこんな形。「やっぱり何か意味があるんだね」とやすえどん。
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もろ箱をこうじ室に移し、露防止のタオルをかけて庫内温度が30℃になるように設定。約12時間後の夜と、そこからさらに約8時間後の朝に、やすえどんがこうじをもみほぐす「手入れ」をしてくれる予定です。そして3日後には塩を混ぜてこうじ菌の働きを止める「塩切り」を行い、味噌作り講座まで保存します。
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こうして講座が終了し、時刻は12時10分前。こうじ仕込みをした本宅からお昼ご飯を食べるひまわりまではいつも車で移動していますが、「気持ちいいから歩いて帰りたい」と、足取りも軽く、受講生たちは歩いてひまわりへ向かったのでした。

 
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1ヶ月間の真学校も、残すところあと1週間。
それぞれに変化してきた受講生たちも、いよいよ仕上げの時に入ります。

 

 


18日目「自然療法プログラム」

朝一番、いさどんの両親のお話から始まった午前中の講義は、今までの人生を振り返りながら、この生き方をただ1本道として進んできたいさどんの、ゆるぎない心を感じるいい場となりました。

いさどんから、「自殺をしたいと考えたことのある人?」と質問されて過半数の人が手を挙げたのですが、それを受けていさどんは、自分の体験を話し始めました。

小学校5年生の時に、優秀だった姉兄と比べ、通知表が3ばかりだったいさどんに対し、尊敬していたお父さんが、「おまえは、3ばかりか。」と言ったそうです。その時にいさどんは、「自分は取り柄がなく、不必要で価値のない人間なんだ。」と思い込んで、自分にはまり、真剣にどうしたら死ねるかと考えたそうです。

そのような自分の体験を通して、死にたいと思うのは人間の特徴で、何かと比べたりして自分に捉われているということだから、それを知って、楽しむくらいになるといいねと、みんなに語りました。

自分に意識が行き過ぎていると、人の目線が自分に向いていると勝手に思い込むから、その縛りを取って自由に人前でも話せるようになると、自分をいいふうに見せようとしている人がほとんどだから、「あの人はすごい!」ということになる。それがこの世界のからくりで、プレッシャーは自分で作っているものということがわかると自由になれる。最終的には、終末を迎えた時に、「いろいろあったけど、いい人生だったな」と言って旅立てることを目標にしたいね。

という話が続き、いさどん曰く、「生き方教室」の時間となりました。

その後、いさどんが神様からこの尊い道をいただいて、ただ「大切だから」ということだけで、疑いながらも、わからない生き方をしてきた苦悩を涙ながらに語ったいさどんに、もらい泣きをする人たちもたくさんいました。訳がわからないのに信じて行くことの辛さと、その後にいただく結果で、やはり「だから大事なのだ!」という確認をしながら進んできた道のりのことを思うと、感慨深いものがありました。

涙ながらに語るいさどん
涙ながらに語るいさどん

多くの人は、「~だからする」というように先に結果を求めがちだから進めない。まずは信じて行くことが大切で、後から来る者たちの為に自分の人生を捧げるのだといういさどんの話を受けて、受講生からは、「先を行く人の辛さを知って、いさどんの存在がありがたいと思った。」というコメントがありました。

受講生ももらい泣き
受講生ももらい泣き

どんなことも人の為に語り、人の為に生き切るいさどんの姿は、尊くありがたいものとしてみんなの心に響いた、とても豊かないい時間でした。

「ありがとう」のハグ
「ありがとう」のハグ

 

 


17日目午前「性と宇宙2」

すべての生命の源である性についての認識を根底から覆す講座「性と宇宙」。この世界の成り立ちの根本原理を学ぶ第一部を経て、第二部でいさどんは以下のように語り始めました。

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いさどん:
真学校も残るところ半分ほどとなりました。ここまで来ると、みなさんもそろそろ、ただ情報を得ると言うよりも、自分自身と対面する段階に入ります。感情やクセのままに生きていると、自分自身の課題から逃げずに向き合うことはなかなかしないものですが、こういった学びの機会を得ることによって、今まで向き合ってこなかった自分自身と対面することになるのです。

真学校は、情報を得ることが最優先なのではありません。ここでたくさんの情報を得ても、実際に自分の中に残るものは、きっと僅かなものでしょう。しかしその情報は、これまで見過ごしてきた自らの課題と向き合うきっかけとなります。そして自分の力でそれを超えることが、今後皆さんが人生を歩んでいく時の大きな力になるのです。そして共に学ぶ仲間がいれば、一人ひとり課題が違うわけですから、それぞれの経験や課題の違いから互いに学び合って、自分自身に活かしていくことができるのです。
そうやって自らと向き合い、これまで曖昧にしてきたことに対する答えを出すことが、1ヶ月間の真学校の一番の目的ではないかと考えます。それはこれまで人々がなかなかできずにきたことですが、今、みなさんはそのチャンスの時にいるのですから、ぜひ活かしていただきたいと思います。

 
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第一部では、性というものが宇宙の仕組みやこの世界の成り立ちの延長線上にあるということをお話ししました。それは考え方によっては当然のことです。構造としては、この世界を成り立たせている法則の中で私たちが生まれてきて、そしてその法則のもとに維持されてこの世界ができているわけです。つまり、この世界は相似形であり、大きいものも小さいものもすべて同じ構造でできているのです。

*第一部プレゼンテーションより


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私たちは性を通して生まれてきて、性を通して次の代に命をつなげています。私たちの原点が性にあるわけですから、それがこの世界と同じ仕組みになっていることは、よく考えてみれば当たり前のことなのです。
残念ながら、現代の人々は、私たちの世界において性がそのように重要かつ大きな存在だとは捉えていません。それどころか、性は私たちの存在の根源でありながら、秘め事として隠されてきたのです。そして秘め事として隠されることによって歪められ、隠し事どころか忌まわしいことのようにさえ捉えられているのです。
僕は、性に関することを堂々と行おうと言っているのではありません。そういった行為を正しく捉えることが大事だと言っているのです。なぜならそれは、私たちの未来を繋いでいく子どもたちにつながることだからです。今の世の中は、性が逆転現象を起こしていると言えるのです。

昨夜の大人ミーティングで、日本の労働の現状とアメリカの大統領選挙についてのビデオ(クローズアップ現代「広がる労働崩壊~公共サービスの担い手に何が」「大統領選挙に異変あり~アメリカ社会に渦巻く不満」)を観ました。どちらの社会にも課題がたくさんあって、今はある意味、これまで作ってきた価値観を切り替えなければいけない時を迎えています。
多くの人々は、表面的な改革でそれを乗り越えていけばいいように考えています。しかし皆さんは、真学校を通して根本的な物事の捉え方を学んできたことによって、今の社会が根本的な切り替え時に来ていることに気付いていると思います。ですから、この学びを皆さんの人生の切り替えに役立てていただくと同時に、ぜひそれを社会の改革に役立てていただきたいと思います。
今日は、今の社会の性の現状について少し触れながら、最終的には性の本質と、これから私たちがそれをどう捉えて、次の世代にどうつないでいくかというところに、学びをつなげていきたいと思います。簡単に言えば、今の世の中は逆転現象を起こしているということです。実は性に限らず、どんなことでもそうなのです。それに対して、単に社会を批判するのではなく、いろいろな情報に出会った時に、その情報の奥にある本質を観抜く力を身に付けるということに、皆さんは今取り組んでいます。

それでは情報に入ります。

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過去に人がハングリーだった頃には、どちらかと言うとセックスに対しての欲求が強い時代がありました。動物でも植物でもそうですが、危機が迫ってくると、次の子孫につなげなければいけないので、そういった欲求は強くなります。逆に、環境が豊かになってくると、自然界ではそういった欲求は減っていくのですが、人間の世界では、今の経済的先進国の現状を見るとそうとばかりは言えません。むしろそういった所では、歪んだ性が横行しているように見えます。私たちの存在の根幹である性が歪んでいるが故に、人間の物事に対する価値観の歪みが発生しているのです。

真学校で性について取り上げているのは、本来性というのは、私たちが生命として誕生し、世界を維持し、時代をつなげていくために欠かすことができない、根本的な柱だからです。そして性の仕組みは、宇宙の仕組みそのものであり、地球上の生態系システムの根源であるにもかかわらず、現代はその解釈が歪められています。そこを根本的に切り替えない限り、健全な社会に行き着くことはあり得ないのです。

日本の性の現状を観ると、人々の日々の暮らしの在り様が狂っていることがわかります。異常にセックスに興味を持つ者も持たない者も、正常に戻していくということが必要なのですが、今は何を基準にして正常と言うのかがわからない状態になっているのです。

これは真学校の学びの中でずっと話してきたことですが、宇宙には一つの揺るぎない原理原則である「アメノミナカヌシ」という柱があります。そしてこの世界は全て相似形で成り立っていますから、宇宙を構成している一つである私たち一人ひとりの中にも、アメノミナカヌシという柱が働いているのです。ところが今の人々には、その大本となる宇宙の柱も、それを構成する個々の人々の中にあるはずの柱の存在も忘れられてしまい、何を指針とすればよいのかわからない状態になっています。

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そういった構造的な問題を理解して取り組まない限り、昨日のアメリカ大統領選の話でも、日本の労働の問題でも、この性の問題でも、ただ表面的な対策に追われ、対策をすればするほど難しい問題になったり手間がかかったりするだけで、結局根本的な解決にはつながらないのです。問題ごとにはそれぞれにたくさんの理由があり、その一つ一つが大きな勘違いから生まれてきているのですが、その勘違いを根本的に解決するというよりも、対症療法に追われているのが今の社会の現状です。そういったことを今、全てにおいて逆転させなければならない時が来ているのです。

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このような、人類にとって大きな問題について今ここで語っているということは、今はまだ小さな動きですが、皆さん、見ていてください。世界中が必ず、この根本的なことに取り組まないと成り立たなくなる時が来ます。皆さんはその時に先駆けてこういったことに出会っているということは、今、奇跡の出会いをしているということなのですよ。

僕の中には、時代を超えたビジョンがあります。僕は30歳の時に、こういった新しい時代に向けての取り組みをメッセージとして受け取るようになりました。それをいただきながら、実際に自分の歩みが世の中に対してどんな役割を果たすのだろうと考えていた時に、あるビジョンが湧きました。
それは、生まれ故郷の岐阜県の山の中で、将来新しい生き方をする、というものでした。人間によって変えられてしまった二次林の山を自然の山に還し、動物たちと人間が共に生きていけるような環境を整備し、そこに人々が助け合って暮らすコミュニティを創ろう、そしてそのコミュニティの名前を菩薩の里としよう。そこは、今の一般的な価値観が通用しない、ある意味治外法権のような、特異な生活で成り立つ場所です。老若男女が助け合い、誰もが他者の為に生きる、ユートピア ――― そんな場所をイメージしていたのです。
そして、そういった場所を創る目的がどこにあるのかと考えました。いつかそこを訪ねてくる人々がいる。それはこの国を司る人たちです。その人たちがこう問いかけるのです。「私たちはこれまでいろいろな手法を使って、この国がより良い豊かな国になるよう努力をしてきました。けれども、どの手法をとっても、良い国を創ることができません。そして困って考えあぐねていた時に、この地に理想の生活をしている人々がいるということを耳にしました。そこで、より豊かで人々が幸せになる国を創るために、その智恵をいただきに来たのです。」
その時に、僕はこう答えます。「それは手法ではありません。ここにいる人々や自然を観てください。ここの人々の心や調和の姿こそが、真に国を豊かにし、より良い社会を築くものだということがわかるでしょう。」
それが、木の花ファミリーの生活を始め、こういった生き方につながった元になっているのです。

そして、僕は天からもう一つメッセージをもらっています。それは、「お前が肉の体を持って地上を生きている間は、世の中が本当にその事の大切さに目覚めることはないであろう」ということでした。つまり、僕は次の新たな社会の土台を創る役割を担う者であるということです。生きている間にその成果を観ることのできない役割ですが、それでもやる気があるか、と問われたのです。僕はそれに対して、「あります。土台であろうが何であろうが引き受けます。」と答えました。

もうすぐ僕は65歳になります。僕の人生の契約は80歳までなので、あと15年ほどです。15年を過ぎると、今ここにいる皆さんの中でも若い世代の人たちが、最も活躍する時代が来ます。そしてその先の15年を思ってみると、アメリカや日本の混乱がそろそろ落ち着いて、次の時代の人たちが社会を引き継ぎ、そしてさらにこれから生まれてくる子どもたちにつないでいくためのベースができる時代になる、とイメージしています。

時代は私たちが生きている間だけ紡がれているわけではありません。宇宙の誕生、維持、消滅が延々と繰り返されていくように、その動きが途切れることはないのです。その中で、私たち生命は、その途切れることのないもののつなぎ役なのです。さらに、肉体はこの数十年で途切れますが、魂はずっと時代をつないでいくのです。ですから、遠い過去のことも、遠い未来のことも、すべて私たちのことです。世界観が広がれば、そのことが理解できるようになります。

みかこ:
時代は常に進化し続け、いつの時代もその時代に相応しい魂が肉体を持って地上に現れ、役割を果たし、次の時代へとつないでいます。ということは、新しい魂が生まれてこなければ時代が先へ進まないことになりますね。進化し続ける時代の意志を受け取って表現する者がいないのですから。古い魂ばかりでは、時代を進化させることはできません。

いさどん:
だからこそ、魂を降ろす行為をまじめにやらなければならないのです。性行為がただ子孫を生むためだけの行為になってしまったら、それは宇宙的には高次の意識とは言えません。動物がそうでしょう。動物たちは子孫を残すために本能として、性交を行います。しかし人間は、宇宙の法則を司る側から、その意識を共有するものとして地上に降りてきているのですから、高次の意識を持ってそれをつなぐことを託されているのです。

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人間は、このように高次の存在であるからこそ、本来の役割に目覚めることが大切です。

そして皆さん、実は、人間が生き物なのではないのですよ。時代が生き物であり、人間はそれを請け負い、つなぎ、表現するために生まれてくるのです。
例えば土手の草は、意志を持っていません。刈られて畑に入れられれば土に還って作物になるし、その場に置かれればまた土手の草になるし、刈られなければそのまま土手の草であり続けます。作物になって人間に食べられれば人間になるし、虫に食べられれば虫にもなります。それは変幻自在に変化していく、自我を持たないものなのです。
それに対して人間は、一人ひとりが自我を持っています。草はいろんな種類や個性はあっても、霊的な違いというのはありません。草の一つひとつに魂の違いはなく、ただ縁の違いがあるだけです。しかし人間は草ほど多様な種類はないのに、一人ひとりの魂は実に多様で、オリジナルな自我を表現しています。そこに、時代の意志を託せるものと託せないものとの違いがあるのです。そうでしょう?平安時代のペンペン草と今のペンペン草のどこが違いますか (笑)。環境的な違いはあるかもしれませんが、霊的な違いはないですね。

現代社会の性の実態を観ていくと、我々人間は、大きな勘違いの時代を生きていることがわかります。自然界を見てください。そこでは人間の社会のように法律やルールはありませんが、レイプのような愚かしい無秩序もありません。しかしこの高度な生き物であるはずの人間の世界だけに、そういった歪んだ性が横行しているのです。
人間が価値あるものとしての尊厳を保つために、性こそ一番に本来の姿に戻さなければいけないものなのです。ですから、皆さんは世界からすればほんの一握りの人たちですが、こういったことを語り合い、真実が発信される場にいることを大切にしていっていただきたいと思っています。

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今、僕はここの皆さんに語るというよりも、ここを通して地球人類に語っていました。体は限定されたものですし、我々は特定された場所にしか生きることはできませんが、魂や意識が大きく広がれば、時代に語りかけ、人々を目覚めさせ、地球にそのことを広めることができるのです。これは事実です。あなた一人の小さな気付きから、時代は動いていくのです。

みかこ:
いさどんが性の現状の話の中で急にモードが変わって世界観を語り出した時、とても大切なことを語り出したと感じました。その時、この場が受け皿となって、いさどんに何かが降りてきたのです。それは受け皿が多ければ多いほど、世界に力強く広がっていきます。いくら真理を語ろうとも、それを受け取る人々がいなければ、その真理が世界に広がることはないのです。降ろす人と受け皿となる人がいて、初めて真理はこの世界に広がっていきます。それは「アマウツシ」とも言えるものであり、この『性と宇宙』の講座の中でもとても大切なところです。

いさどん:
アマウツシとは、天と地、男と女など、相対するものが対向発生することであると同時に、アマウツシという言葉の如く、天を地上に映すことでもあり、天という宇宙法則が地上に表現されることです。それは高次の意識があって初めて成る、人間像と言えます。
カタカムナで言うアマウツシとは、カムウツシ状態の意識レベルにある男性が、潜象界から湧き出る高次の響きを受けて真理の湧き出し口となり、それを感電状態となった女性が受け取って、高次の意識の響きを有する人格が表現する場が形成されていくことです。それは交わることをきっかけとしてもたらされ、ひとたびその意識状態に到達した者は、常にその意識で日常を生き、ものごとに関わることによって、他の人々を導く者になります。

みかこ:
物理的な交わりを通さなくても、降ろす人と受け取る人がいることで真理は広まっていくけれど、カタカムナで言うアマウツシとは、それをさらに交わることを通して高次の意識を降ろすことであり、とても深いものです。

いさどん:
性を通して高次の意識となり、その高次の意識の状態で人々と共に生きることにより、その高次の意識から発するものごとの捉え方が人々に伝わっていくのです。
それは、行為によって鍛錬されていくものではありません。意識レベルが上がっていくことによって、それが可能になるのです。そして真理が降りてくることによってそれを語る者となり、意識を上げていくからこそさらに真理が降りてきます。それは天と地の対向発生です。男性は意識して直観を降ろし、女性は高次の感電状態となり、そこには、通常の人間意識を超えた世界があるのです。

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コミュニティでアマウツシが起こるということは、特定の個人としての男女にそれがあるのではなく、全体の中でその部分の役割を担っている者にそれが起き、全体に還元されていくということです。
ですから、今のこの場も同じですね。皆さんが、私が発したことの受け皿となることで、それが世界へ還元されていくのです。コミュニティは地球のひな型であり、そもそも地球全体がひとつのコミュニティなのですよ。そして今、こういった意識の受け皿があるからこそ、真理が降ろされて解き放たれているのです。

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そしてそれは響きとなり世界に広がり、少しずつ少しずつ、その響きが人々の気付きとなっていくはずです。
対向発生は男女の間だけではなく、コミュニティでも、この真学校の場でも、地球全体でも起こります。その意識に目覚めた人々が増えていくことで、世界中に広がっていくのです。
そのためには、皆さんの中に、そのことを強く信じる心が起きることが必要になります。そして、それが発信源となっていくのです。

アマウツシとは、宇宙の実相が湧き出る受け皿となる人間の意識レベルの、最高の位置に属する境地です。ですから、言葉で聞いたり文章で読むだけで理解できるものではなく、人間に与えられているすべての能力、経験を駆使して、初めて到達できるものなのです。ということは、私たち人間には、その境地に到達できる可能性が秘められているということです。そしてそれを可能にする能力があるということは、私たちが宇宙に存在する意味は、それを現象化することを宇宙から託されているという、希望ある存在であるということです。

 
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