開講から一夜が明け、1ヶ月間の真学校の講座第1号となるのは「木の花ファミリー総合プレゼンテーション」。講座は、ジイジのこんなお話から始まりました。
昨日も、この同じ講義室で、皆さんに開講の挨拶をしました。さて、この場所は昨日と同じ所にあるでしょうか?同じ場所にあると思う人!(受講生数名が手を挙げる。)
住所は同じですよ。日本の富士宮市にあります。では、昨日とは違う場所にあると思う人!(数名が手を挙げる。)おお。では、違うと思う理由を教えてください。(受講生:私たちはみんな、地球という船に乗って宇宙を移動しているから。)なるほど。では、違う考えの人はいますか?(受講生:心が違えば観えるもの、感じるものが変わってくる。)それは、場所は同じ所にあるということですか?(受講生:そうです。)
今、僕はなぜこの話をするのかというと、それがこれから1ヶ月間の探求の基本になるからです。
昨日の皆さんと今日の皆さんは違いますか?同じと思う人!(数名が手を挙げる。)では違うと思う人。(数名が手を挙げる。)では違うと思う人は、なぜ違うと思うのですか?(受講生:この世界はその時その時で変化し続けるから。)では、何が変化するのでしょう?(気持ちが変化しています。)なるほど。気持ちというのは揺れ動くものですね。それは進んだり、戻ったりします。でもそれは、外から見てわかりにくいですね。もっと物理的にわかりやすいところで、昨日と今日は変わっていませんか?(食べ物が変わっているから体の中が変わっている、髪の毛が抜けたり伸びたりしている、という声が上がる。)そうですね。例えば、垢が自分の皮膚からはがれ落ちるのも、昨日より今日はリニューアルしているということです。
去年から今年にかけて、あなたは1歳年を取りました。1日が経つということは、1日分年を取るということです。それを365回繰り返すと、1歳年を取ることになります。さて、これは止まることはあるでしょうか?止まったことがある人はいますか?止まらないですね。なぜだと思いますか。なぜ時間は止まらないのでしょう ──── そうです。地球が動いているからです。では、逆に戻ることはあるでしょうか。それもありませんね。
私たちがいるこの世界は、止まりません。では時間だけが留まらないのかというと、場所も移動しています。動くということは、変化するということです。私たちのいるこの場所は常に移動し続け、決して止まらず、変化し続ける、変化、変容、変態の世界です。
先ほどまで、この場所は暗かったですね。でも今は日が出て、明るくなりました。あと3時間後には太陽の位置がさらに高くなって、お昼が来ます。これはなぜかと言うと、地球が回転しているからです。地球は24時間をかけて1回転をします。回転するということは、私たちが今いるこの場所は移動しているということです。1回転することで1日が経ちますね。それを365回繰り返すと、1年が経ちます。そして地球はその1年の間に、太陽の周りを1周します。その時、太陽は止まっていますか?(受講生:止まっていない。)ではどのように動いていますか?(受講生:銀河を周っている。)そうですね。地球の動き方と太陽の動き方は、少し違います。それについては明日から詳しくお話しします。いずれにしても、太陽は宇宙空間を移動しています。地球が太陽の周りを周っているように、太陽も銀河の中心の周りを周っているのです。そして地球は、そのように宇宙空間を移動し続ける太陽の周りを周りながら、一緒に宇宙を旅しているのです。
地球の自転の速度は、赤道上で秒速468mです。音速は、環境によっても変化しますがおよそ340mです。それがマッハ1ですね。マッハ1は、戦闘機の早さです。地球はそれよりもさらに速い速度で回転しています。想像してみてください。その速さで回転していることを感じますか? ──── 私は感じるのです。その速さで回転しながら、太陽の周りを公転しています。では公転の速度はどれだけかと言うと、秒速30kmです。1秒間に30kmですから、およそマッハ90です。地球上にそんな乗り物はありません。では、1日で地球はどれだけ移動しているでしょう?秒速30km×60秒×60分×24時間=259万2000kmです。それだけの距離を、地球は1日で移動しています。
今私たちがいるこの建物とこの土地は、木の花ファミリーのものです。それは、人間が決めたことです。そして地球上の話です。しかし宇宙空間的には、この場所は固定されておらず、誰のものでもありません。今から1万年前、今のような社会の仕組みがなかった時代には、この土地も誰のものでもありませんでした。人々は狩猟採集をして生きており、どこででも獲物を獲ったり、木の実を拾ったりしてもよかったのです。今は、人の土地に勝手に入って獲物を獲ったり木の実を拾えば、不法侵入になります。しかし本来は、誰のものでもないのです。
私たち人類は、他の生きものにも自然にも宇宙の星々にも何の断りもなく、いつの間にか勝手にルールを作り、その枠の中で生きています。そのルールは、人間の枠の中だけのことです。なぜ人間にはそんな権利があるのでしょう。もしくは、あなたはあなただけのルールを持ってませんか?朝はいつもこうするとか、食べ物はこうでなくてはならないとか、自分だけの決め事をつくり、その中に自分を閉じ込めていませんか?
人間は知らない間にたくさんの決め事を自らに課しています。この土地は木の花ファミリーのものですが、それは日本の社会の中だけで通用する話です。この場所は宇宙的には、秒速30kmで移動しています。そしてあなたという人も、瞬間瞬間変化しています。お母さんから分かれてオギャーと生まれた瞬間から確実に年を取り、死に向かっています。始めはお母さんから栄養をもらっていましたが、そのうちに自分でご飯を食べるようになり、不要になったものを排せつして、瞬間でも同じ状態でいることはありません。しかし今の人間は、変化し続ける世界にいることを忘れて自分でたくさんのルールを作り、その中に自らを閉じ込めているのです。
変化、変容、変態し続けるこの世界には、物理的変化、時間的変化、そしてサイクルの変化があります。かつて人間たちは地球上で原始的な暮らしをしていました。始めは狩猟採集をしていましたが、やがて農耕が始まって定住をするようになり、社会を創るようになりました。そして様々な文明が生まれ、その文明は技術革新をもたらしました。人間は自然を研究し、自分たちの生活しやすいように自然を変えていきました。そして自然が自分たちの都合のいいようになることが、豊かさだと思ってきたのです。
誰も、「不幸になりたい」と思って毎日を生きてはいません。例えば自殺をする人がいますが、それは不幸になりたいからでしょうか?
僕は、心の病を抱える多くの人々に出会ってきました。その人たちは、今の自分の状態を不幸だと思っています。では何が不幸なのかというと、自分の思うように良くなりたいけれどなれない、ということです。しかしその「良くなりたい」という想いが自分の都合だけを考えた「良くなりたい」では、良くはなりません。それはわがままや自分勝手ですから、その考えではうまくいかないようになっています。しかしそのことがわからないと、自分を幸せにしようとして何度でもわがままを通そうとします。それをやり続けるとどんどん問題が起きますから、どこかで「自分に問題があるのでは」と思うのですが、自分に問題があると思いたくない人はわがままをやり続け、結果的に、幸せを求めているはずなのに、自分の行いが自分を不幸にしていくのです。
そうすると、生きることが辛くなります。生きることが辛いということは、自分を幸せにするためにはどうしたらいいでしょうか?そう、生きるのをやめればいいですね。それが自殺です。
人間はみんな、幸せを願っています。しかし、幸せの方向をどこへ求めているのかによって、幸せを求めているはずなのに不幸にもなっていくのです。人間は幸せになるために、科学技術を発達させ、豊かな世界をつくろうとしてきました。それは、幸せを「獲得しよう」とする姿勢です。
ジイジ的幸せとは、「すでにある」のではないか、ということです。毎日太陽が昇り、約束通りに時間が経ち、季節がめぐり、自然は食べ物などの恵みを与えてくれます。今の状態で固定しているのではなく、いつも変化、変容、変態を繰り返しながら、人というのは人生を豊かに旅するようになっているのです。自然の生きものはみんな、そうやって生きています。自然界で動物が「不幸だな」と言って自殺しようとしているのを見たことがありますか?人間はとても高度で、いろいろなことをやりますが、不幸をたくさんつくる生き物でもあるのです。
今は2019年です。地球的には、大きな変化の時代に入りました。AIが台頭し、何を食べたらいいか、どんな服を着たらいいかということも、AIが教えてくれる時代がやって来ました。年を取って介護が必要になれば、AIが介護してくれます。人間社会には様々な問題が起き、その問題によって経済効果がもたらされ、人々はお金があって豊かになれば幸せになると考えています。それが社会の幸せであり、個人の幸せであると考えています。
しかし少し違う角度、たとえば自然や、宇宙の天体の仕組みから考えてみると、現在の地球上の人間たちの営みは、極めて異物です。人間社会は、表面的にはさらなる経済発展を求めています。しかし宇宙的、もしくは地球環境的に観れば、これ以上経済発展をしてはいけない状態にいます。早ければ、あと10年後には夏に北極の氷がすべて溶ける可能性があると言われています。そういったことが今、急激に地球上に起きています。それは、産業革命以降の250年ほどの間に人間たちが求めてきたことの結果です。
ヨーロッパ産業革命は、西洋型の経済発展をもたらしました。今ここにいる私たちは、東洋の国の人々です。現代は西洋型の社会が熟し、問題がたくさん起きているのですから、時代は切り替えの時に来ています。これから、東洋型の思想が世界に必要な時代になります。しかし現実には、中国も台湾も日本も、西洋の考え方に汚染されています。今の経済発展の考え方は西洋型であり、20世紀型のものです。しかし元々、日本なら自然との共生、中国なら人の生き方の哲学というものを、私たちは伝統的に持っています。
今、明らかに宇宙的にも地球的にも、西洋型の経済発展を求める価値観が変わらなければいけない時に来ています。けれども、モノが欲しい、カネが欲しいと欲で固まってしまっている人間たちは、そのことになかなか気付けません。
今ここにいる人々は、何か、「本当に大切なのはお金ではないのではないか」「技術だけでは人は幸せになれないのではないか」と思っているから、ここに来たのでしょう?その中にも、だいぶ古い人と、ちょっと古い人がいますが、もうすでにピカピカの新しい人たちも生まれてきています。今の子どもたちは、これから地球と共生する生き方をするようになります。ですから日本でも中国でも台湾でも、若い人たちがただモノを求めるだけの暮らしをしなくなってきました。そして新しい発想をするようになってきました。それを宇宙人的発想と言います。そしてモノにこだわるよりも、精神性に興味を持つようになってきました。
その時に、ちょっと古くなった私たちは何をしたら良いのでしょう?今のままでは地球の問題を遺産として新しい人たちに残すことになります。ここに20代の人はいますか?(2人が手を挙げる。)この人たちは、今の子どもたちと次の社会を創っていく人たちです。他の人たちは、自分たちが作ってきた負の財産をきれいにしていく責任があります。それを自分が生きていく上での責任として、考えていく時代が来ているのです。
一番言いたいことは、今地球的にも、人間の社会的にも、大変革が起きているということです。木の花ファミリーは、そういったことを感じている人たちが集まり、次の社会をどのようにしたらいいのかという見本を生きているのです。
それでは、その暮らしのプレゼンテーションに入ります。