真学校3日目の講座は「世界観を広げよう」。地球の現状を観ながら、固定概念の枠を取り払い、世界観を大きく広げていく全3コマの講座です。以下は、講座冒頭のジイジのお話です。
おはようございます。
昨日から今日にかけて、地球は259万2000km移動しました。そして、移動してそこで止まるわけではなく、ずっと移動し続けています。今この瞬間も、秒速30kmで移動し続けています。
今日の講座は「世界観を広げよう」です。スライドの表紙に『時代に乗って新たな世界へスイングバイ』とあります。このことについて、今からお話しします。
私たちは今、ここで生きています。生きているということは、自分が毎日生活をして年を取っていくことだと考えています。でももう一つ、別の流れがあります。例えば、多くの人は意識していませんが、地球は常に自転と公転をしています。決して止まることなく、それを繰り返しています。もしも私たちが、重さ100㎏の荷物を自分一人で持とうとしても、持てませんね。しかし地球は、地球上の荷物を全部集めて重さがどれだけになるのかはわかりませんが、とんでもない重さの荷物をすべて乗せて、宇宙空間で回転し、公転し続けています。それをさせ続けているエネルギーがあるのです。そして私たちも、目には見えなくとも、その動きに乗って日々を生きています。
太陽はおよそ27日で自転をしています。そして2億2600万年をかけて銀河を1周します。そのような巨大なエネルギーの中に、私たちはいます。それは、時代が動いているということです。その時に、私たちもその時代の変化を感じ、一緒に動いていくことが、宇宙を生きるということなのです。
今のようなテクノロジーがなかった時代には、人々は昇る太陽を見て、その日の天気や、その年の気候がどうなるかを感じて生きていました。例えば、太平洋の南の島の人々は、羅針盤もないのに、星を見て、太陽の位置を見て、海を渡り新たな島へと向かっていきました。風を感じて、海がおだやかなのか、荒れるのかを知りました。人間の中には、そういった能力があるのです。
例えば犬の嗅覚は、人間の何万倍とも言われています。キツネや鷹の視力は、人間よりもはるかにいいです。昔、アフリカのマサイ族の人は、東京タワーの上から地上を歩いている人の顔を識別できたと言います。その人の視力は6.0だったそうです。人間は地球上の中でもっとも優れた生き物ですから、そのような他の動物たちや特殊な人々が持っている優れた能力を、本来すべての人が持っているのです。でも今の人たちは、その能力を持っていません。それは使わないからです。もしくは必要としないからです。なぜ必要としないのかというと、便利が良くなったからです。
本当は、今地球上には大変な変革の時が来ていて、人類にとって危機的な状況にあるのに、人々は今のまま進んでいてそれでいいと思っています。私たちは毎日食べ物を食べてエネルギーを得ますが、それよりも大切なのは、生命力があるかです。生命力があれば、その食べ物がどのようなものであるのかを瞬時に感じ取り、これは食べても良い、これはいけないということがわかります。生命力があれば、危険が迫っている時に、ここから先は進んではいけない、ということを感じられるようになります。今の人たちは、世の中がどんどん便利になっていったがために、自分の中にあるそういう能力を失っています。ですから人間は、地球上で最もたくさん病気をする生き物でもあるのです。
数日前、地球と火星の間にあるリュウグウという小惑星に、日本の探査機「はやぶさ2」が着陸しました。この小惑星に探査機が行くためには、地球の軌道から離れる時に、地球の公転速度より速い速度で離れなければいけません。
はやぶさ2は地球を周回しながら、一緒に宇宙を旅しています。地球の周回軌道に乗るということは、地球の公転速度で宇宙を飛ぶということです。そしてある瞬間、地球の公転エネルギーに自分の力をプラスして、地球の公転軌道から離れ、目的の小惑星へと向かうのです。その速度は、地球上の乗り物では得られません。地球の公転速度に乗るから、そのエネルギーが得られるのです。それを「スイングバイ」と言います。
これは宇宙工学の話ですから、私は詳しく話すことはできません。何が言いたいのかというと、この世界には何かしら流れがあり、巨大なエネルギーが動いているということです。そして私たちは、その中で生きているということです。もしそのエネルギーや流れを感じられたら、私たちはそれを使って生きることができるということです。
天の川銀河の誕生から138億年、地球の誕生から46億年と言われます。そして誕生からずっと、地球は宇宙空間を旅し続けています。では地球は、その燃料をどこで補給しているのでしょうか。宇宙空間にガソリンスタンドはありませんね。つまり、宇宙はフリーエネルギーなのです。宇宙のエネルギーは、動き出したら繰り返し繰り返し、はずみ車のように動き続けるのです。
実は、私たちのいるこの世界もフリーエネルギーです。毎日太陽が昇り、空気と植物が循環し、植物と動物も循環し、有限のものが無限に循環し続けています。そのフリーエネルギーの循環の中で、もしも人間が「畑から作物をとってやろう」という心で作物を育てると、肥料をやり過ぎたり、連作障害が起きたり、いろいろな問題が発生します。でも、自然界の森の木を見てください。誰も肥料をやらず、長い間ずっとそこに立っていますが、健康です。彼らは空気中の窒素と炭素をエネルギーに変え、誰も肥料をやらなくとも健康に生きているのです。
このように、私たちが認識しているよりももっと巨大な、そして無限のエネルギーの中で時代は動き、この生命世界は循環しています。
皆さんの毎日に戻りましょう。今月の生活費はいくらですか?使い過ぎてお金がないからと、臨時のアルバイトをすることもあるかもしれません。その生活はフリーエネルギーではないですね。生きることが、たくさんの計算の中にあります。でも本当は、私たちはフリーエネルギーの中で、このスイングバイの仕組みを使って生きていけるのです。
あなたの人生が今終わろうとしているとします。しかし、死んで終わりではありません。あなたの肉体は分子レベルに解体され、自然生態系の循環の中に還元されます。そして魂は、次の受け皿を求めながら、魂の本住の地に存在するのです。今生きている瞬間も、汗が出る、垢が落ちる、食べることによって排泄する、というように、変化しながら循環しているでしょう?それは、私たちが死と表現する時も同じなのです。自分を構成するものが立場を変えて存在し続けるのです。そういった意味で、この世界に死ぬということはありません。立場を変えていくだけです。
ところでジイジは、なんでそんなことを考えるようになったのでしょう。頭がヘンだからです(笑)。僕は何かを見て、好きとか嫌いとかいう反応を示すことはありません。出来事を見て反応することを条件反射と言います。例えば蹴られたら「痛い」と思うとかね。もちろんそういう回路もありますが、その思考回路で生きてはいません。
こうしてボーっとしていると、何かがポコッと、自分の中に入ってくるのです。あれ、何でこうなっているんだろう、と。それで、その入ってきたものを開けます。そうすると、自分が今まで考えたこともないようなことが、中に入っているのです。私はアカデミックな教育は受けていません。研究者でもありません。ですが、こうやって湧き出てくるものを、拒否しないようにしています。自分の考えというものに囚われないように、自分自身をフリーにしたのです。そうしたら、その時に必要な分析が湧き出すようになりました。まるきり宇宙遊泳しているような感じです。ですから、何も心配することはありません。計画することもありません。
1ヶ月間の真学校でお伝えする世界観は、そういう発想から生まれてきたものです。普通とはちょっと違う世界の捉え方に、皆さんをご案内します。
いとちゅう:
質問があります。その「ポコッ」と降りてくるものは、自分が知りたいと思っているから降りてくるのか、それとも全然関係なく勝手に降りてくるのか、どちらですか。
ジイジ:
良い質問ですね。始めの頃は、求めていないのに降りてきました。そしてその降りてきたものは、自分の世界観と違いますから、ある意味、自分を否定するものでした。しかし、よくよくその降りてきたものを分析すると、そちらの方がはるかに優れているのです。だから、そちらの方に興味を持って生きるようにしました。そうすると何が起きるかというと、今までの自分を否定することになるのです。
僕は5月で68歳になります。その、自分とは違う考えが降りてくるようになったのは、30歳の頃の話です。そうなってから2年くらいの間は、一人になるといつも泣いていました。降りてくる優れたものを受け取ることは、当然のことです。しかしそれを受け取るのと同時に、自分を捨てなければいけない。その時に、道理に沿っていない自分に執着があり、それが辛くて一人になると泣いたり、自分で自分の頭を殴ることもありました。
知らない人からすれば、どちらもあなたでしょう、と思うかもしれませんね。でも明らかに、片方は今までの自分だという認識があるのに、もう一方は今まで考えたこともないようなものが降りてくるのですから、始めは別のものでした。その別のものを受け取ろうとして、2年間辛い思いをして、気付いたのです。無駄な抵抗はやめよう、と。結局は優れた方を選ぶ自分がいるのであれば、無駄な抵抗はやめて、その降りてくるものに従おうと思いました。その時に私の中で、自我を優先することを卒業しました。それからです。時代を観て、時代の流れに沿うようになったのは。この世界には様々な流れがある。その流れに沿うことが大切であり、それが人生をスムーズに生きることだと気付いたのです。
もうすぐ「人格を学ぶ講座」が始まります。そこでは皆さんの人格や人生観を分析します。例えば天命。あなたがこの世界に生きる意志と、この世界がなぜあなたを生み出したのかという、両方を観ます。その時に、あなたが持っていていい人格と、持っていては問題を起こす人格とがあるのです。それを仕分けられる自分になる必要があります。だから私は、持っていては流れを悪くする人格を捨てることにしたのです。その自分が出てくるたびに捨てるのです。そして、そのうちに出てこなくなりました。
そうすると、上から勝手に来るものを受け取って、自分の中の不要なものを捨てていく作業から、今度は「これについてどう思いますか」と上に質問をするようになりました。すると、答えが返ってきます。そして、対話するようになりました。
今は、対話しません。私は私という単独のものであり、世界は、私の器です。その器全体をひとつの体としたならば、私と器が対話をすることは、ちょうどこの指の爪と私が対話しているようなものです。この爪は、何かの役割があってこの爪のポジションにいるだけで、全体の一部なのです。ですから、その一部から、全体を認識することができるわけです。
宇宙の中に生きるということは、自分は自分自身であると同時に、宇宙全体なのです。その中で、宇宙を忘れて自分だけのことを考えていたら、あなたの世界はそれだけの狭さです。そうやって自分のことばかりを考え、全体の仕組みから外れれば、矛盾が生まれ、病気になったり、問題ごとに出会うようになっています。ですが、もしこのほんの小さな自分が世界全体に意識を向けていたら、世界全体のエネルギーや仕組みが、自らの中に湧いてくるのです。例えば私たちがインターネットを使う時に、問題のあるサイトにアクセスするのか、優れたサイトにアクセスするのか、自分の興味が何に向いているかによってアクセスする先が変わります。それがあなたの世界観であり、そのあなたの興味によって、この世界がつくられています。もしも世界観を広げたければ、今の自分が観ている世界の枠を、壊すことです。
私たちの体の中に、自我があります。自分の体という枠に、自分というエゴが閉じこもっています。それを「囚われ」と言います。「囚」という字は、枠の中に人が入っていますね。しかしその枠を開いて「門」にし、天から降りてくる法則やエネルギーを自分に入れると、それは「閃き」になります。自分の意志でそれを受け取りますよ、と、門を開くのです。
天から降りてくる意思と、自らの意志の門を開けておく。その「門」の中にいる「人」も、枠の中にいる「人」も、同じ自分です。しかし門を開ければ「閃き」になります。「囚われ」は自分の頭で考え、自分を守っている状態です。「閃き」はすべてオープンです。
今、私たちは言語を使ってコミュニケーションを取ります。ですから言葉のルールを守らなければ、何を言っているのか相手にはわかりません。
13000年前のカタカムナ人の時代は、まだ言葉が十分に発達していませんでした。その時に彼らは、響きで会話していました。音のひとつずつに意味があり、その音を使って通じ合っていました。現代人はとても難しい言語を使い、複雑なことをやりますが、本質はつかめていないのかもしれません。
ジイジが言おうとしていることには、何となく新しい世界があると感じませんか?これを、言葉で伝えるのは、とても難しい。それでも、なぜジイジがこんなにも熱心に皆さんに伝えるのかというと、それはとても大切なことだからです。皆さん一人ひとりにとってもとても大切なことですが、これからの人類にとっても大切なことです。
私たちは、囚われたエゴの自分で生きていくこともできますが、それでは人としてこの世界に生まれた価値がありません。優れた人とは、時代と共に、世の中のために、自らを生かした人です。時代はすでに、一人ひとりが優れた人として目覚める時代に入っているのです。
そのような視点のもとに、この「世界観を広げよう」というプレゼンに入ります。この講座では地球の現状に触れていきますが、今、地球上にはあまりにも問題がありすぎて、挙げ始めたらきりがないのです。さらに新しい問題がどんどん出てきて、とても紹介しきれないほどです。でも、だからと言って、それに麻痺してしまってはいけません。そしてその解決策は、その問題をつくってきた私たち自身が、自分の心を観るということです。それがこの世界に対して私たちがすることができる、もっとも実現可能なことです。
皆さんも、いつか必ず死を迎えます。その旅立ちの時に、優れた人生を生きた魂として誇りを持って旅立てるかどうか。人間は、自分の受けた被害には着目しますが、事実私たちは今、何の抵抗もしない他の動物達や自然界に負荷をかけている、加害者なのです。
それでは、地球の実態を観ていきましょう。
Source of photo: JAXA